大同1泊2日バス旅行

liyuan2008-05-01

旅行期間:2008年5月1日〜5月2日(1泊2日)
旅人:6人

またしても直前に決定

今年から労働節(メーデー)の休みが、短くなった(>_<)
去年まで1週間あった休みが、今年は3日・・・。
というわけで、連休恒例の世界遺産旅行は、近場に行くことに。


当初、龍門石窟、殷墟方面に2泊3日で行って、世界遺産を一挙に2個つぶしちゃおう!ともくろんでいたのですが、すでに帰りの列車のチケットが売り切れ…という状況。
仕方なく、バスでの旅行を決行することに相成りました。
行き先、見積り、手配等が整った出発2日前…。
一緒に行くはずだった2組のご夫婦の奥様が相次いで、ダウンされるという緊急事態発生。
ツアー催行が危ぶまれましたが、なんとか催行することが決まったのが、出発前日…と、かなりバタバタの出発でした。

いざ出発

実は、今回のメンバーの中に、私よりも強烈な雨女がいました。
前日の天気予報は、晴れ。
しかし、朝起きてカーテンを開けてみると、曇ってる(>_<)
雨女同士のパワーが反発しあって、晴れてくれないかなとちょっと期待していたのですが、そう上手くはいってくれないようです。
ま、とりあえず降ってないだけでもありがたい…ということで、いざ出発。


朝7時15分、
22人乗りのバスにたった6名乗車し、
バスは一路大同を目指して走り始めました。
私はまだ半分頭が寝ていましたが、
「さ〜のむぞぉ!」と、飲む気満々のメンバー2人。
あ、朝から飲むっていっても、牛乳じゃないですよ(笑)


勢い良く、ロング缶を開けるM氏。
嬉しそうにグビグビと飲み始めるOちゃん。
いや、さすがにワタクシは朝の7時からは飲めないっす(^_^;)
飲んでる2人とそのほかのメンバーもテンションの違いが、
かなり面白い。いや、だってまだ8時前。
みんな半分寝てる顔です。
そうこうしているうちに、バスは、連休初日の大渋滞にはまるのだった…。

渋滞中


バスは、北京市内から1時間も走らないうちに、八達嶺高速で大渋滞にはまりました。
車がぴたりと止まり、ちっとも動く気配がありません。
気がつくと、みんな車から降りて、車道に出てきました(笑)
犬も散歩してました。
私たちは、ビール片手に車内でUNO大会。


ようやく到着。

結局、渋滞にハマること2時間。
バスは昼食タイムも取らずに、ひたすら大同を目指して走り続けること7時間。
午後3時前、ようやく、本当にようやく、大同に到着。
いやーーーー、疲れた。


大量のおやつ&おつまみで、飢えをしのいだので、誰も腹減ったーと騒ぎ出す人はいませんでしたが、運転手さんはちょっとかわいそうでした。



懸空寺へ

そして、HTLでガイドさんと合流した後、再び大同郊外へ1時間ちょっとの移動開始。


1時間もかかるの!?とみんなさすがにうんざり顔。
大同の町は、新しい市長の政策で、文化を大切にする町へと生まれ変わるべく、
ほとんどの建物を壊し、新しい建物を建てる真っ最中。
どこもかしこも「拆」という字が書かれ、壊されていました。
道路も工事中で、かなりひどいオフロードを走行。
ひどい揺れに悩まされました。


そして、ようやく懸空寺に到着したのは、夕方4時半すぎ。
それでもまだ観光客の行列が出来ていました…。



奥のダムい行くための通路の龍に目を奪われ、気がつかなかったけど、
手前にある、燕の巣のように崖に張り付いてるのが懸空寺です。



懸空寺は、険しい崖に張り付くように建てられた仏教寺院。
1400年前に建立されたもので、仏教と道教儒教が一体化した独特の寺である。
この寺は元は“玄空閣”といい、“玄”とは中国の道教の教理からでたもので、
“空”は仏教の教理からきており、のちに懸空寺と改名され、
寺全体が断崖に引っかかっているとうであること、
また、この状態を表す“懸”と“玄”は中国語では同音であることから、この名が付いたという。
またこの懸空寺の建築的特色は、
まずは、古代の断崖に引っかかるように建てられていることだ。上の突き出た岩は傘の役目をして、寺を大雨から守り、場所が高いので洪水が来ても浸水することはない。
また懸空寺の周りの山々も強い日差しをさえぎる作用を果たし、夏のこの寺への日照時間はわずか3時間だなので、懸空寺が木造とはいえ、これまで1400年もの風化に耐え、よく保存されてきた理由がわかろう。(中国百科より)

なんでこんなところにわざわざ寺を作ったのか、
昔の人の考えることは良く分かりません。

どうしてこんな断崖絶壁に寺を建てたのだろうか?実は、懸空寺の下は重要な道で、人々は崖に寺を造り、信者の参拝に便宜を図ったのだ。
このほか、下に流れていた川がよく氾濫し、これは金の竜にたたりだと当時の人は考え、仏塔の変わりにこの寺を立て、竜を退治しようと考えたため、断崖絶壁にこの寺を造ったのだ。(中国百科より)


強風が吹き荒れるなか、50名ずつの入場制限をしているとのことで、
順番を待つ。
寺のすぐ下に来ると、不思議とさっきまでの風がパタリと止む。
これが、寺が風化せずに残ってきた理由なんだそうだ。


さて、この寺。
燕の巣のようであるだけに、高所恐怖症の人と横に大きい人には見学は、ちと無理な感じです。
たくさんの人がいっぺんに乗ってるので、崩れるんじゃないかと、ちょっと心配になるくらい、なんだか危うい感じ。
ほっそーーい柱は、ゆれているものもあり、さすがにちょっと怖かったです。





「お花が咲き乱れていました。大同は春真っ盛りです。」



ちなみに、お寺の各部屋には、仏像や石仏が祀ってありました。


やたら前に進みたがって、後ろにぴったりくっついてくる中国人をかわしながら、なんとか見学終了。


結構楽しみにしていたんだけど、意外と規模が小さくて個人的には、ちょっとがっかりでした。


見学したあとは、さすがにお腹がすいて、
山西名物の「涼粉(liang fen:ジャガイモの澱粉で作った葛のような食べ物。プルプルツルツルしています)」で、空腹を紛らわす。
きったない店だったけど、意外と美味しかった。
涼粉:3元/碗



ヤオトン(窑洞yao tong)

ヤオトン…中国中西部の黄土高原に暮らす人々が、
厳しい自然条件の中で生き抜くための住居。



中国中央部に広がる黄土高原は、西方のゴビ砂漠から風に乗って運ばれてきた黄土が堆積してできた1000mを越す高地です。
年間降水量が約400mmと少なく、内陸に位置するため夏は35度を超す酷暑、冬は零下20度を越す酷寒という厳しい自然条件です。
雨量が少ないため、建築材料となる樹木が育たず、人々は地面を掘り下げて地下住居「ヤオトン」をつくりました。井戸水の温度が一年を通じてあまり変わらないように、地下の家は夏涼しく、冬は暖かく、黄土高原の厳しい自然から人々を守ってくれます。(世界の共生住宅より)
横穴式のもあります。


実は、数年前に「延安の娘(監督:池谷薫)」というドキュメンタリー映画をみてから、一度、どんな風な家なのか見てみたいと思っていました。



ガイドさんが、1軒見学できる家があるというので、
懸空寺の帰りに、寄ってみることに。


5歳の時に両親をなくし、それ以来ずっと1人で生きてきたという、
70代後半のおじいさんの家を訪ねました。
先祖代々この地に暮らしているとのこと。
テレビでも紹介されたことのある、この辺ではちょっとした有名人のおじいさんのお家だそうです。



崖の中腹に、洞窟のような入口があり、一歩中に入ると、ひんやりとしました。
中はおもったよりも広くて、
入口の横の窓のある部屋に、おじいさんは暮らしていました。
窓際に、オンドル。そのすぐ横に、かまど。
そして、敬老の日に、政府から送られたという立派なテレビ。
電気も通っていましたが、たぶんおじいさんはテレビを観ていないだろうな。
だって大事そうに大きな布をかけていたもの。
かまどの上には、モヤシが一掴み置いてあり、きっと今夜の夕食にするんだろうなぁと、
思いました。





お部屋を見せていただいたお礼に、20元を渡すと、
おじいさんはごつごつしたしわだらけの手で、
「謝謝!謝謝!」といって、全員と握手をしてくれました。
おじいさんの乾いた手に触れて、その苦労が伝わってきてちょっと胸がいたくなりました。




ちなみに、おじいさんの住んでいるヤオトンから見下ろす場所に、
小さな村がありました。
私は、人々の生活感の感じられる村を訪れるのが好きです。
なんだかこう、質素ながらも、一生懸命生きている感じが伝わってきて、
人間の原点ってこういうところにあるんだなぁと感じられるからです。
うぁぁ、なんだか味のある村だなぁと思い、写真を撮りながら眺めていると、
ひとり、二人と、村人が駆け寄ってきます。


どうやら私たちのバスがおじいさんの家の前に停まったのを見て、
村人たちが一斉に小さなお土産物を手に、駆け寄ってきたようです。


あっという間に、10人近くの村人に囲まれてしまいました(・_・;)
何も買ってあげられなかったけど、
なんだか村人たちが、スレてなく純朴な感じがしました。



昔は、中国旅行をすればどこででも見られた風景です。
今は、北京などでの都会の観光地では、ほとんど見られなくなりましたけど。
この村が、いかにまだ貧しいのかと思うと…、バスに群がる村人たちを見て切なくなりました。

羊しゃぶしゃぶ

夕食は、ガイドさん一押しの羊しゃぶしゃぶ「凱鴿五部(火鍋城)」へ。
内モンゴルに近い大同は、羊の肉が美味しいのだそうです。
地元の人で大人気のこの店、9時には閉店するとのことでしたが、
8時半近くに行ってもまだたくさんの人が行列していました。

不毛の大地で、雑穀しかとれないこの地方の、もう1つの名産が、
高粱を原料とする「白酒」地元では、「白汾」と呼ばれているようです。
白酒好きのメンバーがいたので、一本注文してみたら、
フルーティーな香りのする飲みやすい白酒でした。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
凱鴿五部(火鍋城)
迎賓東路116号
電話:533−0555(大同市の市外局番不明)
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

夕食後、歩いてHTLへ戻る途中、雨がポツポツと降り出しました。
お酒を飲んで、雨女パワーが炸裂か!?(笑)