雲南 元陽と羅平の旅

liyuan2008-02-08



期間:2008年2月8日〜2月11日 3泊4日
旅先:雲南省元陽(棚田)&羅平(菜の花畑)
旅人:3人

予感はあったのだ…

今年の春節休みの旅行は、行き先がなかなか決まらなくて苦労した。
本命は、香港マカオ
こちらは、航空券があまりにも高くて、断念。
次に、貴州省世界遺産にターゲットを絞ったが、
こちらは今年の中国南部の異常気象のために、断念。
そして、廬山景徳鎮コースも、同様の理由で、断念。
広州、開平、マカオに決まりかけたが、マカオのHTLが春節で高騰。
広州開平だけなら、週末にいけるという理由で、却下。
どっちにしても広州も異常気象だったようなので、行こうとしても行けなかったと思いますが・・・。


というわけで、旅行社からは、北へ行ったらどうか?とアドバイスされる始末。
散々手を尽くして、やっと決まった行き先は、雲南省元陽と羅平。
元陽の棚田と羅平の菜の花畑を見に行く旅行は、こうして行き先を決める時から、
なにやら波乱含みの幕開けだったのです。


出発前の準備

インターネットで雲南の気温をチェックして、荷造りをした。
最低気温10度-最高気温17度。すっかり春らんまんのご様子。
分厚いロングのダウンコートをやめ、セーター類は一切もたず、
綿素材カットソー&万が一のためのパーカーで準備万端。
それでも北京は氷点下の世界なので、行き帰りのために腰丈のダウンを着るが
マフラー等は必要なしと判断。
すっかり春の気分全快な、洋服選び。
この判断が、間違っていたことを、このときの私はまだ知らない…。

春爛漫の雲南へいざ出発

早朝のフライトだったが、オンタイムに出発。
春節中ということもあり、朝食の機内食は水餃子。
なかなか正月気分で良い感じ。


隣のおっさんが、トマトジュースをこぼすも、私に被害は無く後は爆睡。
途中、激しく揺れたが、うつろな意識の中で、あまり怖さを感じないまま、
昆明に到着したのだった。
春爛漫のはずの昆明は、なにやら曇っており、思ったよりも寒い・・・。
ガイドの孫さんが、昨日までは暖かかったのですが…と、恐縮気味。
何はともあれ、目的地である元陽まで、8時間近くの大移動のスタート。



途中、菜の花畑がいくつかあり、この先の波乱を予感してたのかしてなかったのか、
お天気があまり良くないけれど、ま、とりあえず…といいつつ、
車を停めてもらい撮影タイム。
羅平の菜の花畑は、一体どんだけすごいんだろうねぇと期待に胸を膨らます。




春節の2日目ということもあり、食事をするレストランを探すのも一苦労。
ほとんどの店は閉まっており、開いている店を手当たり次第探して入っていくという感じ。
開いてる店があっても、当然そこに客が集中するので、混んでいて、座れない…ということもしばしば。
ガイドの孫さんが何度も車を降りて、走って店に行き、空いてるかどうかを確認してくれようやく昼ごはんにありつけたのは、午後2時をまわっていた。

現実逃避

食事を終えて、バスは元陽に向けてひた走る。
お腹もいっぱいになり、山道走行の車の揺れでいい感じで眠くなり、ウトウトしながらのドライブ。
しばらくして一緒に行った、Mのなにやら話す声で目が覚める。
ん??
なんでこんなに外がしろいんだろ?窓が曇ってる?
寝ぼけ眼で、のん気にそんなことをボーっとしながら、考える。


ん!?


曇ってるわけじゃない?
もしかして、霧!?


そう。
目覚めたら、そこは視界5mもないような、激しい濃霧の山の中。
整備不完全な山道を、ドライバーの訒さんはたじろぎもせずに、運転している。
いやいや道が、右に曲がってるのか、左に曲がってるのか、まっすぐなのか、すら分からない状態っすよ。
さらに、ガードレールなんてものは存在しない、山道。
何も見えないけど、おそらく崖の下は、深い谷底。

「車窓からの風景 ちなみにこれは霧発生前に撮ったもの」



あぁ、万が一、曲がり損ねて、谷底に車ごと転落したら、
1ヶ月くらい発見されないかもしれないなぁ…。
なんてことを考えると、生きた心地がしない。
人間て、追い込まれると、現実にしっかりと向き合う人と、
現実から逃れようとするタイプがいるようだ。
Mは、現実にしっかりと向き合うタイプ。
ドライバーの後ろから、鋭い眼光で、道を読んでいる。

そして、私は…。
寝たら、とりあえずこの恐怖からは逃れられる…とばかりに、
なんだか眠くなってくる。
でも寝てる間に、事故にあったら、嫌だしなぁ…と、
と自分の中で勝手に葛藤(笑)
結局、恐怖から逃れようと、持参したipodで、音楽を聴いて現実逃避…。





ようやく元陽の宿に到着

霧は、いけども行けども、晴れず、濃くなるばかり。
車が、山を越えて、ようやく山のふもとが見えたときは、
心底ホッとした。


山を2つほど越えて、日がすっかり沈んだ頃に、ようやく元陽に到着。
元陽のホテルも深い霧の中。


そして、あまりの寒さに、驚く。
涼しいね…というレベルじゃない。


寒い。
北京より寒い。


部屋に暖房がないといわれ、絶望的な気持ちになった。
あぁ、これ、数年前のゴールデンウィークにラサに行った時と同じ状況だ…。
あの時も、寒さの想定をしておらず、あまりの寒さに慌ててジャンパーとトレーナーを買いに行ったっけ。
しかし、この元陽の山奥じゃ、洋服を買う店もない。
ありったけの服を着るしかないのだ。


部屋の中も、異常に寒く、熱いシャワーを浴びて、
みんなでお喋りする間もなく、布団に包まって眠りについた。
私とMのベットには、電気マットが敷いてあったが、
Aさんはエキストラベット。
毛布を足してもらったが、長袖の上着を着て寝たほうが良いよという私の忠告を無視して、Tシャツ一枚で寝た彼女の身体は、翌日氷のように冷たくなっていた…。
って、死んだわけじゃないのですが(^_^;)
朝、寒いよぉと私の布団にもぐりこんできた彼女の身体は、完全に冷え切っていました…。
風邪ひくぞ、絶対。