杭州/黄山/宏村、西逓/の旅②

liyuan2006-10-04



朝、8時半出発。
黄山まで、1時間半ほど車で移動。


前日に、ガイドの金さんより、黄山ではロープウェイ下りてから、ホテルまで40分ほど歩くので、荷物は出来るだけ1つにまとめて下さいといわれる。
山歩き用にリュックと、肩掛け用のバックを1つ持っていた。
最近、ハイキングに行く機会が多いので、リュックを購入したのだけど、このリュックが思ったより荷物が入ることに、ホテルで荷造りをしなおしていて気がつく!
山登りに慣れているHちゃんが、絶対その荷物1つにまとめられるよというので、半信半疑で詰めてみたら、その通りだった。
早く言ってよ〜!(笑)



黄山風景区(安徽省)は、72の奇峰からなる山岳風景区。
世界遺産の1つであり、中国十大風景名勝の1つでもある。
中国人にお勧めの観光地は?と聞くと、必ずと言っていいほど「黄山」の名前が出てくるほどだ。
奇松、怪石、雲海、温泉の4つが有名で、日没、日の出も見所の1つなのだそうだ。
山水画水墨画の世界が広がるという。


黄山には、登山口が前山と後山と2つあり、私たちは、後山からアプローチ。
黄山風景区の入口から、車で20分ほどクネクネと山道を登ると、雲谷ロープウェイ乗り場に到着。
国慶節のため、赤い提燈でお祝いムード。


私はいささか緊張気味。
黄山はかなり険しい山と聞いていて、この日予定している4時間のハイキングについていけるか、心配だった。山に登りなれてるHちゃんに迷惑かけないようにしなくては…と。


ロープウェイの予約した時間が10時半なので、ここでしばらく待ってといわれて、入口附近で待つこと30分。
椅子もないので、立ったまま待つが、リュックが重い…。
それにしても、予約できるって一体どういうことなんだろう?
すると、ガイドの金さんが「じゃあ行きましょう」と言って、VIP入場口と書かれた入口から入っていく。そしてそのままズンズンと階段を登り、VIP休憩室の中に入れという。
えー?どういうこと?
長蛇の列に並ぶことを予想していただけに、かなり驚く。
VIP休憩室には、他に20人ほどの人が立派なソファーに座って待っていた。


実は、チケットが普通票(一般用チケット)と貴賓票(VIP用)と分かれていて、貴賓票を買うとVIP休憩室で待つことが出来て、長蛇の列に並ばなくてよいのだそうだ。
素晴らしい制度!(笑)
値段は、倍くらい違いますが。
休憩室でさらに20分ほど待ち、ようやくロープウェイに。
たった7分で終点に到着。この7分のために1時間近く待ったけど、自力で登ると3時間半〜4時間ほどかかるというので、良しとしましょう。





まず始信峰を観てから、ホテルに向かうとのこと。
重たいリュックを背負ったまま歩き始める。
前回の長城ウォークで懲りたので、今回はおそらく山歩き用だと思われる靴を履いてきた。
ニセモノ市場で購入したので、性能は定かではありませんが。
本格的な登山をしている気分(笑)
石やコンクリートで完全に舗装されている登山道を歩く。


まず出迎えてくれたのは、黒虎松。
日本人は松を見慣れているせいか、ふーんという感じ。みんな写真を撮っていたので、とりあえず一枚撮る。

「黒虎松」


さらに歩くと、始信峰に到着。
なんと閉鎖されていた。_| ̄|○
黄山では、人間が足を踏み入れて自然破壊しないように、4〜5年周期で峰を閉鎖しているのだそうだ。
仕方ないので、脇のほうから覗いてみると…。
奇峰と松が青空に映えて美しい。
谷底は深く、自分が絶壁の上に立っていることに気が付き、ちょっぴり足が震える。
5月の労働節のときに、張家界へ行ったときは深ーい霧に覆われて、何も見えなかったのだけど、今回はお天気に恵まれてくっきりと下の方までよく見える。

「始信峰」


嗚呼、絶景かな。


西海飯店にチェックイン、昼食を取った後、午後のハイキング。
西海飯店から、黄山で2番目に高い「光明頂(標高1840m)」を目指すことに。
とーくの山の頂上を指差し、あそこまで大体4時間くらい歩きますといわれて、その瞬間、来たことを激しく後悔した。

「目的地の矢印の下にあるのが気象台。ここを目指して歩く。
 飛来石:空から飛んできたような佇まいからついた名」


「えぇ!?マジで?めっちゃ遠いじゃん。た、たどり着くの!?4時間も登るの?」とブツブツ愚痴っていたら、ガイドさんが冷静に、「いや片道ではなくて、往復です」と。


それを早く言えよ(――゛)


なんとか歩き出したのはいいけど、かなり急な階段が目の前にそびえている。
10段登るだけで、汗が噴出し、呼吸が速くなる。
Hちゃんから話しかけられても、まともに答えられなくて笑われた。
くっそぉ、笑う余裕があるのが羨ましい。
こっちは運動不足を痛感する余裕もないほど。ひたすら次の一歩を前に進めることしか頭にない。息も絶え絶えになり、かつてないほど心臓がバクバクしてきたので、破裂するんじゃないかと、不安がよぎる。



途中、いくつかの見所で、休憩を兼ねて写真を撮りながら、登っていく。
しかし、登山道が整備されているから簡単に登れるけど、その昔、ここを登った人たちはかなり過酷な登山だったろうな…。と、今この旅行記を書きながら思う。(現場では登るのに必死でそんな事を考える余裕も無かった(笑))
お天気がいいので、景色はまさに絶景。空気もきれい。
立ち止まるたびに山の心地よい風を、感じる。


汗をかきながら、ひたすら登ることに集中し、時々目の前に広がる絶景に感動していたら、日ごろ、くだらないことでウジウジと悩んでいたことが、知らない間に吹っ飛んでいた。



そして、1時間半後。
ようやく天文台のある光明頂に到着する。ヘロヘロだけど、達成感は格別だった。
遥かかなたまで、山が何重にも重なり、黒い影となっている。まさに水墨画の世界だ。

「目的地だった気象台がこんなに近くに!」



「頂上からの眺め」



頂上で、トイレ休憩などを取り、来た道を今度は下る。
お天気が急に怪しくなってきた。
下りの方がキツイという人もいるが、私は下りの方がラク
帰りは余裕しゃくしゃくでした(笑)


途中、夕陽を見るために1時間ほど自由時間があり、Hちゃんと二人で絶景を前に椅子に座っておしゃべりしたり、なかなかゆったりとした時間を過ごした。

水墨画


「夕暮れ」



結局、雲が多くて、夕陽は見られず。
寒くなってきたので、諦めて途中でホテルに戻ることにした。


明日は、朝5時起きでご来光です