社内旅行「川底下村」

川底下村



7月1日は、私が勤める会社の創立記念日
社員全員とその家族で、日帰りバス旅行が実施されました。

行き先は、北京市内から西に90kmほど離れた門頭溝区にある「川底下村」という古鎮(古い村)です。


大型バスを1台チャーターし、出発しようとしたら、なんとどしゃ降りの雨が降ってきました…。
最近、旅行に出かけると必ず雨にたたられるので、なんだかブルーな気分でバスに乗り込みました。
車内では、ガイドさんが川底下村について軽く説明をしてくれその後はフリータイム。
スタッフがトランプで遊んでいて大騒ぎをしています。
中国人は、本当にトランプが大好きです。4人以上集まれば必ず誰かがトランプを持ち出して、どこででもトランプを始めます。
あまりにも大騒ぎをしていてうるさいので、後方の席に移ることにしました(笑)


ウトウトしながらバスに揺られること2時間半。途中1回のトイレ休憩を挟み、ふと車窓の景色に目をやるとものすごい山の中をバスはぐんぐんと進んでいます。

「車窓」


こんな山奥でバスが立ち往生でもしたら、どうしよう…とちょっと不安になった頃に、ようやく目的地である「川底下村」に到着しました。
出発時に降っていた雨はとりあえず上がっていたのでホット一安心。


村の入口で入場料を支払い、駐車場へ向かうと、大型バスが何台も駐車しています。
どうやら中国人観光客にも人気のスポットのようです。
おそろいの帽子をかぶった中国人観光客がわらわらと列を成して村の中へ入って行きます。
山間にあるひっそりとした小さな村だと思っていたのですが、どうやら大間違いのようです。
村落の中は、客桟と呼ばれる民宿のようなものが立ち並び、宿泊することも出来るようです。



丁度、昼時についたので、我々一行はまず村の中腹にある元村長さんの自宅へ向かい、そこで「本場の田舎料理」を頂くことに。
ってゆーか、本場の田舎料理って一体なにっ!?って感じですが(笑)
四合院造りのお宅の中庭がレストランになっていて、そこで食事をいただきました。
トウモロコシの粉で作ったお粥や、野菜炒め、魚の姿煮、羊の足を焼いたものなど、素朴なおもてなし料理がテーブルいっぱいに並びました。
羊の足は、なかなか好評でした。
心配していたトイレも、元村長さんのお宅では、ちゃんと水洗のトイレがあり、思ったほどひどい状況ではありませんでした。


食事の後は、元村長さんの案内で村の見所を観光しました。
川底下村は、山西省の人々が移り住んだ村で、明清代の集落が今も残る古い村で、北京の胡同などでも見られる四合院造りの民家が山間にびっしりと立ち並んでいます。
風水的にもとても優れている村だと聞いていたのですが、詳しい説明がなかったので、ちょっと不明。
四方を山に囲まれていて、村自体が南を向いており、真ん中に川が流れていて、よくわからないけど気の流れがいいのかな?地理的にも夏は涼しく冬は暖かいのだそうです。


建物自体も400年くらいの歴史があるものが多く、村落の中では時間までもがゆったりとながれている感がありました。

四合院造り」


映画のワンシーンに自分がタイムスリップしてしまったかのような錯覚を覚えながらも、この小さくて美しい村が、観光客で埋め尽くされているという現実に少しばかり寂しさも覚えました。


民家の壁に書いてある貴重なスローガンもたくさん残っていました。

「上の壁画は、清明代の壁画。下は日中戦争期のスローガン。真ん中は文革時代のスローガン(毛沢東の思想で我々の頭脳を武装しよう!)。」



文革時代のスローガン(毛沢東万歳!)」


元村長さんの案内は20分ほどで終わり、後は出発までのフリータイム。
私はどうしても村の全景が見える写真が撮りたかったので、近くの丘の上に行ってみることに。10分ほど山道を歩くと村を見下ろす丘の上にたどり着きました。
山道は、観光客のためにきちんと整備してあります。

でも私が求めている景色はこれじゃない…。
時計を見ると集合時間まであと15分。
私は思い切って、村の全景が見えそうな向かいの丘に登ることにしました。
村の向かいの丘の中腹辺りまで来たところで、タイムリミット。降りる時間を考えるとここで引き返さないと置いていかれる!
中腹から見下ろすと、求めていた村の全景が見えました!



「川底下村 全景」


「四方を山々に囲まれた村」


日本で中国語を勉強していた時に、翻訳の先生が紹介してくれて以来、ずっと訪れてみたかった村だったので、今回念願かなっていくことが出来て、大満足でした。
ただ、北京から往復5時間近くとちょっと遠いのが玉に瑕ですが…。


短い日程で北京を訪れる観光客の方には、遠くてちょっと不向きですが、リピーターの方や、駐在員の方はぜひ機会があったら訪れてみるのもいいかもしれません。
ゆったりとした時の流れと、山々の美しさに心が洗われる感じがすること請け合いです。