北京のタクシー

北京のタクシー事情は、ここ1年くらいで驚くほど変わってきた。
これもオリンピック効果だろうか。
おんぼろだった車両が今年の初めくらいから、新しい車両に変わってきた。
いつ故障するかわからないという不安がだいぶ解消。


そして、運転手の態度もだいぶ変わってきた(と思う)。
接客という概念が皆無であった彼らには、乗るたびに嫌な思いをさせられていたが、最近はそういうことも減ってきた。北京のタクシー会社も接客について力を入れ始めたということだろうか。



タクシーに乗車している時も、ヒヤヒヤすることが多いが、それは一概にタクシードライバーの運転技術やマナーだけでなく、一般のドライバーにも言えることだ。
市道をまるでカーチェイスのように車線変更を繰り返しながら、ものすごいスピードで走っていく。譲り合えば、スムーズに進むのに、我先にと鼻先を突っ込むので、無駄な渋滞が発生する。そして、またイライラ…。擦ったりする事故も頻繁に発生する。するとまた渋滞。完全に悪循環だ。というわけで、朝晩のラッシュ時の渋滞は日本のGW時の高速並みだ。
それでも、2年前と比べると、だいぶまともな運転をするようになってきたなぁと感じていた今日この頃。
渋滞を避けるために、いきなり歩道を走行することもなくなってきたし、クラクションを鳴らし続けることもなくなって来た。
あとは、譲り合いさえ浸透すれば…と思っていた。



ところが!



昨日の帰りに乗ったタクシーはすごかった。
運転手はちゃんとスーツを着ていて、接客態度もなかなか気持ちがよい人だった。
走り出して10分後、いつも混んでいる道路に差し掛かった。
するとすかさず自転車専用道路を走行(これはよくある事)。

おぉ。今日の運ちゃんは攻めるタイプだねー。でも早く家に着くから嬉しいわ。
なんて会話を同乗していた同僚のO氏としながら乗っていた。

そして、自宅近くの道路に差し掛かると、ここも渋滞。しかし、自転車専用道路は走れない。運転手はちょっとでも隣の車線に隙間があると車線変更を繰り返していたが、次の瞬間!!


なんと、中央線を越え、反対車線を逆走し始めた!!!!!



マジっすか!?




正面に大型バスが向かってくるよ!!!!


本当に生きた心地がしなかった。
ドライバーは平然とした顔で運転している。そして、何事もなかったかのように、隙間を見つけて元の車線に戻った。
ぶ、無事でよかった…。



逆走って、あんた一歩間違えたら大事故だよ。
あたしゃこんなところで死にたくないよ。
O氏もさすがにびっくりしたようだった。



私の自宅前に到着し、運転手に「そこで停めて。私はここで降りるから。この後は、○○まで行ってね」と言ったら、「はい。そこでいいんですね。わかりました。」…接客態度はとってもいいのに、チミ、逆走はいかんよ、逆走は!



O氏が無事に自宅にたどり着けるか心配だったが、ひとまず車を降りてホッとした。
久々に命が縮まる思いのしたタクシーでした。