携帯紛失

会社関係の方たちと夕食を食べた後、友人とDVD屋に行った。
そこで、ふと携帯がないことに気がついた。
かばんの中にも、ポケットの中にもない。
タクシーのレシートももらっていない。
レストランに電話をしたけど、ないという。

一緒にいた友人が、とりあえずもう一度レストランに探しに行ってみようと言ってくれたので、タクシーを飛ばして夕食をとったレストランへ向かう途中、彼女がずっと私の携帯を呼び出し続けてくれた。
するとしばらくして、彼女が「ウェイ?(もしもし)」と話し出した。
誰かが出たようだ。
どうやらタクシーのドライバーのようだった。


乗ってるタクシーをとりあえず、路肩に停めて、携帯に出たドライバーがどこにいるか聞くと、なんとすぐ近くを客を乗せて走行中のようだ。
友人が、「そのお客さんの目的地はどこ?」と聞いてくれている。
よく知ってる場所だったので、そこに我々も行くから!と言って、乗ってたタクシーの運転手に事情を説明して、行き先変更。いやな顔せずに、飛ばしてくれた。
そして、待ち合わせの場所で待つこと2分。
反対側の車線に、一台のタクシーが停まった。
窓を開けて、こっちに何か言ってる。

あれだ!


赤信号なのに、駆け出した。
あたしの携帯を持って、ドライバーが降りて来てくれた。


あぁ。
もう絶対見つからないと思ってた。


嬉しくて、ありがとう!を何度も言った。



タクシーで忘れ物をしても、ほぼ見つからないと言われている中で、
レシートもないのに、忘れ物が手元に戻ってくるなんて、奇跡に近い。
一緒に携帯を探してくれて、携帯を鳴らし続けてくれた友人にも、感謝だけど、いやな顔をせずに携帯に出てくれて、届けてくれる親切なドライバーにも感謝感謝であった。うるさく鳴る携帯なんて、電源切ってしまえば無視もできるのに、ちゃんと電話に出てくれて、指定の場所まで持って来てくれたのだ。


人の優しさに、救われた出来事でした。