一目ぼれ

liyuan2006-08-05


であった瞬間、心を奪われる。
そういう出会いを、「一目惚れ」という。


私は、一目惚れはあまりしない。
恋愛でも買い物でも、見た瞬間、出会った瞬間に運命だ!と思うことはあまりない。


であった瞬間に雷に打たれたような衝撃が走っただの、ビビビと来たなどと惚気ている人たちのコメントを聞いても、そんなの大げさすぎると思っていた。
そう…、あの瞬間までは。


この日、午後から先輩や同学、上司の太太(奥様)と一緒にお気に入りの雑貨屋「ZAKKA」で、しこたま買い物をし、茶芸店で中国茶道の手ほどきを受けならが午後のティータイムを過ごし、土曜日の昼下がりを有意義に過ごした。


夕方、先輩と食材の買出しに出かけた後、自宅近くのホテルの売店で、何気なく宝石(玉)を扱っている店に入った。
昼間、「ZAKKA」で、玉のアクセサリーを買ったので、値段がどれくらい違うか見てみよう…って、そんな安易な気持ちで店に入った。


バーゲンでピンク色した芙蓉石のブレスレットが150元で売っていた。
カワイイけど高いなぁと思いながら、ふと横を見た瞬間…


それこそ雷に打たれたような衝撃が走った!!!


なんてカワイイ色なのぉ!
欲しい!!!


まさに、一目惚れとはこういう感覚を言うのだろう。


半透明の水色の玉石が、白い布の上に10粒ほど置かれていたのが目に入ったのだ。
その水色の玉が、なんとも表現し難い、吸い込まれそうな優しい色をしていた。


しかし欲しくてたまらないものは、たいていすでに誰かがツバをつけているというのは、世の常だ。
恋愛と一緒である。
めずらしくステキー♡と思った人には、たいてい彼女や奥さんがいたりするものだ。


一瞬のうちに私の心を奪ったあの玉も同じであった。
その玉の前に、ボーイッシュで活発そうなステキな女性が座っていた。
どうやら彼女がオーダーしていたもののようだった。
出逢った瞬間に恋をして、次の瞬間に失恋なんて、あまりにもせつなすぎるというもんだ。
そして手に入らないと分かると、余計魅力が倍増するというのが人の心理というものだ。


いやだ。
あの玉じゃなきゃいや。


店員さんに、しつこく食い下がった。


「同じ石は、他にないの?もう入荷する予定はないの?」


残念ながら何回聞いても、最後の一つで、もう入荷の予定はないとのことだった。



_| ̄|○


やっぱりこれ要らないわって彼女が言うのを期待していたが、そんな事を言うはずもなく、
私は指をくわえて、ボーイッシュな女性が、誇らしげにその水色の玉を腕につけているのを見ているしかなかった。


海藍石」というらしいその玉は、どうやらアクアマリンだったようだ。


本当にキレイな色をしていた。


いつか同じ玉が見つかることを祈って、私は呪文のように「海藍石…海藍石…海藍…」と玉の名前を唱えながら、後ろ髪を引かれる思いで、店を後にした。



☆写真は、ここ数日「ZAKKA」で購入したものの一部。
ブレスレットの一番手前にあるのは、上の玉石屋さんでバーゲンで売ってた芙蓉石。
海藍石が手に入らなかったので、仕方なく芙蓉石を購入しました。
愛情運がUPするそうです♪