ハルピン旅行②

そっくり?!


【2日目】


北京から出発して、10時間半。ようやくハルピンに到着した。

駅を出て、迎えのバスに乗るまでのほんの5分くらいの間でも、毛糸の帽子、手袋をしっかり装着していないと、あっという間に寒さで感覚がなくなるほど寒い。


最高気温が、マイナス16℃
最低気温は、マイナス26℃!の予報だそうだ。


ガイドさんによると、ハルピンの地元の人も今日は寒いと感じるとの事・・・。
どうりで肺に入ってくる空気が冷たい。
聞いただけで、寒さが5割増だ。


ハルピンは坂道が多い。雪と氷で凍った坂道を、夏タイヤのまましかもチェーンなどの装備もせずに降りてゆく。


きゅるきゅるタイヤが滑ってる!!!

生きた心地がしない。


よくスリップ事故が起きるんですよーなんてガイドはのん気に言っていたけれど。


怖いっつーの!



何とか無事に旧大和ホテルに到着。朝食を食べる。
服務員(ウエイトレス)の小姐(お姉さん)が、ロシア人みたいな顔立ちで、びっくり。


ハルピンはロシアに近いので、ロシア文化が氾濫していると聞いていたが、まさかいきなりロシア人小姐に出迎えられるとは思っていなかったので、驚いた。


朝食は期待していたほど美味しくはないけど、昨夜から満たされていなかった腹はいっぱいになった。


いよいよハルピン市内観光に出発だ。


みな完全防寒の格好をしているため、誰が誰だかわからない。
毛糸の帽子を目深にかぶり、口元もマフラーやらジャケットの高襟やらで隠れている。

ちょっとしたギャング集団のようだ。

まず雪祭り会場へ。
入口にあった雪像をみて、社長が私に似てるというので、記念撮影。(右上の写真)


でっかい河が凍っている。学生時代、札幌で4年過ごしたが、札幌の河は真冬でも凍っていなかった。

  
会場内にあるいくつもある大きな雪像は、札幌の雪祭りにもまけず劣らずの出来だ。


氷でできたホテルがあるというので、ぜひ見たかったが、小さな子供がうろちょろしていたので、諦めることにした。


それにしても、寒い。
まつ毛も凍って瞬きをするたびに、なんか目の前でバサバサしてる。手先と足先の感覚もあっという間になくなった。足先用のホッカイロを入れなかったのが悔やまれる。

デジタルカメラの電池が、寒さのために一気に消耗。
撮りたい風景がたくさんあるのに、全然シャッターが下りてくれない。
急遽ホッカイロでカメラを暖めながら、撮影をした。
その頼みのホッカイロですら、外に出しているとすぐに冷たくなってしまうのだ。
ホッカイロを外気に触れないようにポケットで暖めるなんて、初めて経験した。


はたと気がついて、カバンに入れていた携帯電話を取り出してみた。
恐ろしく冷たい。
そして案の定、電池を消耗して息も絶え絶えの瀕死状態だったので、慌ててダウンジャケットのポケットに入れて暖めた。



虎林園に行こうとしたときに、子供らが見つけてしまった。氷の滑り台を…。
タイヤのゴムみたいな、でっかい浮き輪のようなものに座って、上から滑り降りてくる。
結構スピードも速いし、怖そう…。

1回30元くらい取られる。みんなキャーキャー言いながら楽しそう何度も滑っていた。
大人たちは、下で待っているだけ。


さむいっちゅーねん!


氷の滑り台で予定外に時間を費やしてしまった。
子供が一緒のときは、スケジュール通りにすすめようとしても無理なんだなぁ。子を持つ親は大変だ。
それにしても、この寒さの中、なんであんなに子供たちは元気なんだろうなぁ。
こっちは凍え死にそうだったのに…。



なんてことを思いながら、やっとのことで虎林園へ。


ベンガル虎を放し飼いにしている、サファリパークのようなところだ。
バスに乗って虎が野放しになっている金網の中へ。


虎たちは雪原の中で、悠々と横になって寝ている。
寒くないのだろうか?


10匹、20匹・・・トラトラトラ…。


虎が数え切れないほどいる。バスの中とはいえ、ちょっと怖い。
でもよく見ると、ウチの猫にやっぱり似ている。
そう思うと、ちょっとかわいく見えてきたりして。
無事に一周まわって、その後は徒歩にて虎の幼稚園?へ。

仔虎はやっぱりかわいい。


しかし、冬だからいいけれど、こんだけ動物がいたら夏場は相当匂いがきついだろうなぁとおもう。虎の幼稚園は、外にあるため、ひたすら寒かった。虎同士も身を寄せ合って寒さをしのいでる。




最年少のカナちゃん(3歳)の手袋が取れてしまって、あまりの寒さに泣き出した。


「ママ〜(>_<) あちゅいよー」


「カナちゃん、あちゅいんじゃなくて、“寒い”でしょー。」とカナちゃんママ。


みんなこのやり取りをきいて、吹き出してしまった。子供がいるって、ほのぼのしていていいもんだな。

昼食は、ハルピン料理。

しかし、ハルピン料理って一体なんだろう?良く分からないまま食事が終了。
田舎料理っぽかったが、それが特徴なのかも?

その後、ホテルにチェックイン。5星のシャングリラホテルだ。
リバーサイドの部屋だと、部屋から氷祭り会場のライトアップが見えるらしい。
かなりウキウキしながら部屋に入ったら、私たちの部屋はリバーサイドではなかった。

ざむねん。



休憩後、防寒装備を整えなおす。


夜の氷祭りに備えて、足先用のホッカイロを装着し、いざ出陣!


しかし、ホテルからバスに乗るたった3分くらいの間でも手袋をしていないと、手の感覚があっという間になくなってしまう。恐ろしいところに来てしまったもんだ。

まず聖ソフィア教会を見学。   

異国情緒たっぷりの雰囲気がとてもステキだった。まるでヨーロッパに来たかのような気分だ。そのロマンティックな雰囲気に、真冬なのに、肩を出したウエディングドレスをきたカップルが結婚写真の撮影をしていた。
寒そうだった。そこまでするか?結婚写真を撮るのも命がけだ。

教会内部はすでに資料館?になっていた。実にもったいない。
今も教会として機能していれば、どれだけ荘厳な雰囲気をかもし出していただろうかと思う。



その後、ハルピンの街のジオラマを見に行く。なかなかよく出来たジオラマだった。
ガイドさんが今日見学してきた場所を、ジオラマを使って説明をしてくれた。

そして、中央大街散策へ。


といっても気温がマイナス16℃のなか、散策なんて出来ない。鼻水も凍る寒さだ。
足元は滑るし、寒いし、特に見るべきモノもないし・・・。
たしか建物は洋館風のおしゃれな建物が並んでいたような気がするが、寒さのためによく覚えていない。

要するに、北京の王府井のミニバージョンでしょ?なんてブツブツ言いながら、歩いてみたけど、寒い・・・寒い・・・さむーい!!


なのに同僚はこの寒さ(何度もう言うけど、最高気温が−16℃!)の中、名物だというアイスを食べていた(゜-゜)
ちょっと 変わったヒトだと思っていたけど、やっぱり変わっている…。



結局、私たちは、ハルピンといえば、キャビア!という社長に従って、キャビアを探しに百貨店の地下にあるスーパーへ。
冷凍されたキャビアやいくらがたくさん売っていた。しかし、思ったより高かったので買わずに店を出た。


私は、パンダのマトリューシカを求めて、土産物屋をいくつかさまよい歩いたけど、結局見つからず。


しかし、本当に町中にロシアがあふれていた。
夕食も、ロシア料理だったし。前菜のパンとジャムがとっても美味しかったが、その後の料理はなんだか拍子抜け。
ロシア人みたいな顔立ちのおばさん服務員に、ピロシキボルシチを頼もうとしたが伝わらず。


中国語、通じないし(>_<)

ガイドはどっかに行ってて、結局食べられなかった。ざむねん。




夕食後は、いよいよハルピンの氷祭りへ
さすがに夜間になると、寒さが一段と厳しくなってきた。マイナス20℃くらいはいってるよなぁ。


半端ない寒さだ。
まつ毛が凍って、瞬きが重たいくらい。
デジカメは、ますますシャッターが下りないし。

それにしても、氷祭り会場は、想像よりずっと大きな規模で、しばし言葉が出てこないくらいだった。

でかー!!

北海道の氷祭りをイメージしていたあたしは、唖然とした。
氷の彫刻が並んでるような、しょぼーい、イメージだったんだけど。


…全然規模が違うし。





レンガの変わりに、氷のブロックを使い、万里の長城やら北海公園の建物やらを、見事に再現している。


それもかなりの大きさで!
だって氷で作った建物に、観光客がフツーに登れるのだ。大人がたくさん登っても、びくともしていない。

日本だったら、仮に登れても、登らせないだろうけど。


モノはためしに登ってみようと思い、壊れないのかなぁ?とおっかなびっくり登ってみる。
滑らないように、絨毯がひいてあった。でも、手すりが氷なので怖い…。

上から祭り会場を一望できた。

ピンク、水色、淡い黄色、などの中国らしい電飾で光り輝いている。


しかし、思ってた以上にステキだった。


唯一、寒さでシャッターが下りずに、思ったような写真が取れなかったのが心残りだった。